Makuake

Halliday AIグラス——「見えない知性」は実力で証明できるか

Alex Ishiguro 読了目安:6分
Halliday AIグラス——「見えない知性」は実力で証明できるか
目次
  1. 1プロダクト概要
  2. 2クリエイター・プロフィール
  3. 3市場背景
  4. 4気になるポイント
  5. 5応援したいポイント
  6. 6比較・代替案
  7. 7まとめ

Kickstarter・Indiegogoで通算約5.9億円を調達し、AI/ARスマートグラス部門で支援額首位に立った香港発の「Halliday」〔確認済——PR TIMES 2025年10月31日〕。Makuakeでのキャンペーン期間は2025年10月30日から2026年1月8日までの約70日間で、終了から約3ヶ月が経過している。2025年12月3日時点で応援購入総額は1億円を突破し、MakuakeのAIグラスカテゴリー史上最高記録とされる〔メーカー公称——PR TIMES 2025年12月3日、独立検証なし〕。

3.6mmの光学モジュールで視界に情報を浮かべる「DigiWindow™」、文脈を先読みする「プロアクティブAI」——技術的野心は伝わる。だが海外5.9億円の看板は日本の支援者に何を届けたのか。初期ユーザーの実体験・バズワードの裏側・購入手段の現状を検証する。

プロダクト概要

プロダクト概要のイメージ
出典:droidsans.com

独自の「DigiWindow™」光学モジュール(3.6mm)を右テンプルに内蔵し、網膜投影方式で3.5インチ相当の仮想スクリーンを右視野上部に表示する〔メーカー公称——PR TIMES 2025年10月31日、独立検証なし〕。レンズには映像が映らず、周囲からは通常のメガネにしか見えない。カメラ非搭載で、盗撮リスクへの配慮が設計に織り込まれている。

本体重量28.5g(レンズなし)、レンズ込み40g以下〔メーカー公称——前述〕。バッテリー公称最大12時間〔メーカー公称——前述〕。近視・遠視・乱視の処方箋レンズに対応し、操作は指輪型リングコントローラーまたはテンプルタッチで行う。

一般販売予定価格はグラス単体88,000円、グラス+リングセット91,000円(税込)。Makuake応援購入では超超早割30%OFF(グラス単体61,600円、150台限定)から早割25%OFF(同66,000円、500台限定)まで段階的に設定された。ASCII.jp筆者の実購入金額はグラス+リングセット相当で71,478円(セキュリティシステム費込み)だった〔確認済——ASCII.jp〕。

クリエイター・プロフィール

クリエイター・プロフィールのイメージ
出典:Halliday 公式サイト

運営はHalliday Global Limited(香港法人)。コア技術の開発元はGyges Labs(スタンフォード大・UCLA出身メンバー)とされる〔メーカー公称——chizaizukan.com、独立検証なし〕。設立年・資本金・代表者名は日本語情報源で確認できなかった〔未確認——英語情報源は別法人と混在〕。Kickstarter・Indiegogoで通算約5.9億円を調達し100カ国以上に展開と公称〔メーカー公称——PR TIMES 2025年10月31日、独立検証なし〕。日本語サポートサイト(support.hallidayglobal.com)の存在は確認済み。倒産・事業転換・代表交代の報告は確認されていない〔未確認——日本語検索で該当なし〕。

市場背景

市場背景のイメージ
出典:sefpjournal.com

2025年、ディスプレイ搭載スマートグラス市場は一気に選択肢を増やした。映像視聴特化のXREAL Air 2、AI+処方箋対応のEven Realities G2(99,800円)、2026年2月にMakuakeで先行販売を開始したRokid〔確認済——ITmedia 2026年2月26日〕。「視界にデジタルを重ねるアイウェア」が複数ブランドで同時に競う時代に入っている。

HallidayがMakuakeを選んだのは、88,000円台のスマートグラスを日本市場に認知させるテストマーケティングの意味合いが大きい。海外で5.9億円の実績があっても、日本の消費者には馴染みの薄いカテゴリーだ。1億円超を集めた結果は、少なくとも国内にも需要が存在することを裏付けている。

気になるポイント

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出典:cnet.com

「世界初」を2つ重ねる根拠の薄さ。「世界初のプロアクティブAI搭載」「世界初の処方箋対応」——いずれもCES 2025での自社発表に基づく〔メーカー公称——ubergizmo 2025年2月18日、独立検証なし〕。処方箋対応はEven Realities G2も謳っており、Hallidayの先行性を示す第三者検証は存在しない。「プロアクティブAI」も自社定義の機能名であり、類似コンセプトの不在を証明する独立調査は確認できなかった。

AI回答品質とバッテリー持続の現実。Kickstarterで購入し約1ヶ月使用したHAYA氏はnoteで「現状では実用レベルの性能には至っていない」と評した〔確認済——note 2026年1月〕。さらに「電池持ちが悪く、使っていないときにいつの間にかバッテリーがなくなってしまって、いざ使おうとしたときに殆どバッテリーがなくて使えない」とスタンバイ時の消耗を報告している。公称12時間のバッテリーライフは使用条件に大きく左右される。

初期不具合の報告。ASCII.jp筆者は受領初日にReactiveモード(対話AI)のアクティベーションが1〜10%で停止するバグを経験した〔確認済——ASCII.jp 2026年〕。ソフトウェア起因の初期不具合とみられるが、88,000円級の製品の初日体験としては心理的ハードルが高い。

PSE・技適の取得状況が確認できない。PSE(電気用品安全法)・技適(技術基準適合証明)の取得状況は、本調査の範囲で確認できなかった〔未確認——Makuakeページ取得制約に加え、検索結果にも記載なし〕。Makuakeでの販売実績自体は確認済みだが、技適番号の独立確認は行えていない。購入検討者は現在の取得状況をメーカーに直接確認されたい。

noteのyasunori@skyshar氏はIndiegogo Japan経由での購入を検討したものの「高額な買い物だけに後悔しないように調べまくったが、結局購入を決断しなかった」と記しており〔確認済——note 2025年12月〕、情報不足ゆえの購入断念層の存在も浮かぶ。名前付き個人による批判的レビューはHAYA氏・yasunori@skyshar氏の2件に留まった。

応援したいポイント

カメラ非搭載という明確な設計思想。Meta Ray-Ban等カメラ内蔵型が増えるなか、Hallidayはあえてカメラを外した。テクノエッジは「普通のメガネと変わらない外観で、カメラがないので周囲に不安を与えない」と報じている〔確認済——テクノエッジ 2025年11月6日〕。日常使いを前提にプライバシーを設計で担保した判断は、日本の生活圏では特に意味がある。

DigiWindow表示の光学的優位性。同記事では「マイクロLEDの映像を瞳に直接投影する方式で、眼が遠近どちらを見ていても映像はぼやけず見やすい」と評されている〔確認済——テクノエッジ 2025年11月6日〕。レンズに映像が映らない構造は、導光板方式の競合との明確な差別化ポイントだ。

28.5gの軽量設計。XREAL Air 2が約72g、Even G2が約35gであるのに対し、Hallidayの28.5g(レンズなし)は現行スマートグラスで最軽量クラスに位置する〔メーカー公称——前述〕。一日中装着する前提の製品として、この重量目標の設定は適切だ。

肯定的な名前付き個人レビューは本調査の範囲で確認できなかった。上記はテクノエッジの報道およびメーカー公称スペックに基づく構成である。

比較・代替案

XREAL Air 2。ARグラス市場で最も知名度の高いモデル。ディスプレイ特化でAIアシスタント機能は非搭載だが、201インチ相当の大画面表示に強みがある。実勢価格49,980円前後とHallidayの約半額で、「視界にスクリーンを持つアイウェア」として最も手に取りやすい選択肢。Amazon.co.jp(XREAL Japan販売・Amazon発送)およびXREAL JP公式ストアで新品販売を確認済み〔確認済——Amazon.co.jp / jp.shop.xreal.com〕。

その他の購入先

Even Realities G2。Hallidayと同じくAI機能+処方箋レンズ対応を謳うスマートグラス。一般販売価格99,800円。2025年11月発売で、カテゴリーとしてはHallidayの最も直接的な競合にあたる。Amazon.co.jpおよびEven Realities公式ストアでの新品販売を確認済み〔確認済——Amazon.co.jp / evenrealities.com〕。楽天市場では並行輸入品(AKUBIMarket、¥155,000前後)しか確認できず、公式¥99,800との価格乖離と並行輸入リスクが大きいため本記事では楽天カードを掲載しない。

その他の購入先

まとめ

Hallidayは「普通のメガネの外観でAI機能とプライベートディスプレイを持ち歩く」というコンセプトを、28.5gの軽量フレームとカメラ非搭載の設計判断で形にした製品だ。海外CFで5.9億円、Makuakeで1億円超という調達実績は、このカテゴリーへの期待の大きさを映している。

一方で「世界初」を裏付ける独立検証はなく、AI回答品質やバッテリー持続には初期ユーザーから率直な指摘が上がっている。PSE・技適の取得状況も未確認のままだ。ソフトウェア更新での改善余地はあるが、現時点では「期待値の高い未完成の先端デバイス」という位置づけが妥当だろう。

いま中古で検討している人へ。キャンペーン終了から約3ヶ月と日が浅く、中古市場への流通は限定的だ。仮に出回っていても、ソフトウェア更新やサポート対応のアカウント紐付けの有無を確認し、メーカーの譲渡ポリシーを把握してから判断したい。

これからHallidayを買いたい人へ。現時点での購入手段はHalliday公式サイトに限られる〔確認済——hallidayglobal.com〕。楽天市場・Amazonでの正規販売は本調査時点で確認できていない。PSE・技適の取得状況とAI機能の最新アップデート状況をメーカーに直接確認したうえで判断されたい。

その他の購入先

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Alex Ishiguro

編集長

MakuakeやCAMPFIREで話題になった商品の「その後」を追うメディアを運営。約束されたものが実際に届いたのか、消えてしまったのかを記録する。

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