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LG Smart Monitor Swing——21kgは動くか

Alex Ishiguro 読了目安:7分
LG Smart Monitor Swing——21kgは動くか
目次
  1. 1プロダクト概要
  2. 2クリエイター・プロフィール
  3. 3市場背景
  4. 4気になるポイント
  5. 5応援したいポイント
  6. 6比較・代替案
  7. 7まとめ

「日常を変える、移動式モデル」を謳い、LGエレクトロニクス・ジャパンがMakuakeで展開した31.5型4Kスマートモニター。キャンペーン期間は2025年5月20日から6月29日までの約40日間で、終了から約10ヶ月が経過している。最終支援総額は1億2,156万円超、支援者1,245名〔確認済——Makuakeキャンペーンページ、2025年6月29日終了〕。LGはこれを「Makuakeモニター関連プロジェクト歴代1位」と発表した〔メーカー公称——LGエレクトロニクス・ジャパン発表、独立検証なし〕。

一般販売は2025年8月28日に開始済み。ビックカメラ・ヨドバシカメラ・Amazon等の大手量販店に並び、一般販売価格は149,800円(税込)。VGP2026では企画賞・金賞をダブル受賞している〔確認済——VGP公式サイト〕。

ホイール付きスタンドで「どこでも使える」と訴求する4Kタッチモニターは、10ヶ月後の市場でどう評価されているのか。21kgの重量、149,800円の価格、そしてグローバル大手がMakuakeを使う構造的意味を検証する。

プロダクト概要

LG 31.5型4Kスマートモニター「Swing」のキャスター付きスタンド・タッチパネル・webOS搭載の主要スペックと価格構成
出典:prcdn

以下はメーカー公表仕様〔メーカー公称——LG公式製品ページ〕。

31.5型4K(3840×2160)IPSパネルにwebOSを搭載し、PCなしでNetflix・YouTube・TVer等600以上の配信サービスを利用できるスマートモニター。最大の特徴はキャスター5個を備えたホイール付きフレキシブルスタンドで、室内を平面移動できる。10点マルチタッチ対応のタッチパネルも、LGスマートモニターシリーズでは初搭載。

DCI-P3 95%カバー、HDR10対応、350cd/m²。映像制作向けではないが、配信コンテンツの視聴には十分な色域だ。高さ調整329mm、チルト-20°〜+50°、スイベル左60°/右90°、ピボット90°と可動域が広い。HDMI×2(うち1系統eARC対応)、USB-C×3(うち1ポートUSB PD 65W対応)、AirPlay 2・Miracast対応。5W+5Wステレオスピーカー内蔵。スタンド込み重量は約21.2kg。

一般販売価格は149,800円(税込)。Makuake応援購入では最速割(先着5名)が94,370円(37%オフ)、超早割(先着50名)が97,370円(35%オフ)。モニター単体(デスクスタンド付属)は超早割70,910円から、スタンド単体は29,800円からも用意されていた。

クリエイター・プロフィール

LGエレクトロニクス・ジャパンの企業概要とMakuakeスマートモニターシリーズ累計26億円超の先行販売実績
出典:prtimes.jp

実行者はLGエレクトロニクス・ジャパン株式会社(東京都中央区京橋)〔確認済——国税庁法人番号公表サイト〕。韓国LG Electronics Inc.の100%日本子会社で、世界100以上の拠点に約74,000人を擁するグローバル家電メーカーの国内法人にあたる〔メーカー公称——LG Electronics Inc. IR資料〕。

LG Smart Monitorシリーズは過去5回Makuakeで先行販売を実施しており、累計応援購入総額は26億円を超える〔メーカー公称——LGエレクトロニクス・ジャパン発表〕。今回のSwingで6回目。量産・物流体制の確立した大手メーカーが繰り返しMakuakeを利用する構図であり、資金調達ではなく先行割引による話題性獲得と初期需要の測定を兼ねたマーケティング施策とみるのが自然だろう。販路・資金力を既に持つ企業が先行割引・マーケティングチャネルとしてMakuakeを活用している構造だ。

市場背景

チューナーレスTV市場拡大の中でLGが「機能強化型モニター」と自社を位置づけMakuakeを予約販売チャネルとして活用する構造
出典:edion.com

「チューナーレスTV」カテゴリが急拡大する中、LGは一貫して「チューナーレスTVではなく、機能強化型モニター」と自社製品を位置づけている(日経クロストレンドの取材に対するLGの回答)。NHK受信料の対象外である点が消費者の関心を集めるものの、LG自身はモニター市場内での差別化を志向する。

注目すべきはMakuake活用の構造だ。LGエレクトロニクスは国内外で販路が確立されたグローバル大手であり、Makuakeの「応援購入」は新興メーカーの資金調達や市場検証とは本質的に異なる。35〜37%オフの先行割引を武器とした予約販売チャネルとして機能している。発送予定がキャンペーン開始と同月の2025年5月に設定されていたことも、既製品の先行販売チャネルとして設計されている証左だ。「歴代1位」の記録も、カテゴリ内の主要プレイヤーがLG自身(過去5回・累計26億円超)であることを踏まえれば、LG対LG旧モデルの更新記録という側面が強い。

気になるポイント

価格帯の突出・スピーカー音質の限界・21kg重量での段差移動制約など購入判断に関わる懸念点の整理
出典:makuake.com

「歴代1位」はLG対LGの更新記録。Makuakeモニター関連プロジェクト歴代1位——華々しい数字だが、過去5回の先行販売がすべてLG Smart Monitorシリーズである以上、比較対象の大半が自社旧モデルだ。他社モニターがMakuakeで同規模のキャンペーンを展開した実績は確認できず、「歴代1位」の看板は閉じた競争の結果といえる。

149,800円——同サイズ4Kモニターの相場を大幅に超える。PHILE WEB(2025年5月13日)が指摘するように、一般販売予定価格149,800円は31.5型4Kモニターの価格帯を大きく上回る。同サイズ4K IPSモニターは5〜8万円台が主戦場であり、webOS・タッチパネル・ホイール付きスタンドの付加価値をどう評価するかが購入判断の分水嶺となる。Makuake早割でも約9.4〜9.7万円台で、割引後でも高価格帯に留まる構造だ。

5W+5Wスピーカーの限界。AV Watchのレビュー記事(2025年6月23日)は「中間の音域がばっさりと削られたような印象」と評し、音楽系コンテンツの再生に違和感があると指摘している。テレビ代替を訴求する製品として、外部スピーカーの追加投資が前提になる点は見落としやすい。

21kgの「移動式」——段差で止まる。前掲のAV Watchレビューは、キャスターによる平面移動は快適としつつも、スタンド込み約21kgの重量で「段差や階段を跨いでの移動には不向き」と明確に述べている。ワンフロアのフラットな住環境が前提であり、日本の一般的な戸建て住宅やメゾネット型マンションでは「好きな場所で」の射程が限定される。

本件については第三者の批判的な名前付き個人レビューは調査時点で確認できなかった。上記はAV Watch・PHILE WEB等の媒体レビューに基づく。一般販売開始から約8ヶ月が経過しているが、価格.comのクチコミ投稿は調査時点で確認できず、Amazon・楽天の独立レビューも限定的だった。

応援したいポイント

キャスター移動による配置自由度・エクササイズ用途の発見・トラブルのない出荷実績など肯定的評価の紹介
出典:makuake.com

肯定的な名前付きレビューはたかゆき氏の1名に留まった。以下はメディアレビューを含む評価である。

「配置の自由度」という新しい提案。GetNavi web(2025年〔月日未特定〕)は「角度も設置場所も自由自在のマルチな相棒」と評し、LGが打ち出す「配置の自由度」というコンセプトがユーザーに響いたと分析している。ガジェットタイム(2025年6月〔日付未特定〕)のレビューでは「組み立ては付属の六角レンチだけで約15分で完了」「フローリングや畳でも傷つけずに移動できる」と初期セットアップの手軽さも高評価。モニターの設置場所を固定しないという提案は、リモートワークの定着した現在の働き方と相性がよい。

エクササイズ用途という発見。前掲のAV Watchレビュー(2025年6月23日)は「エクササイズ時に目線が下がりすぎず快適にトレーニングできた」と報告している。メーカーが想定した「仕事からエンターテイメント」の枠を超え、ユーザー側が新たな用途を見出している点は製品の汎用性を裏付ける。たかゆき氏(たかゆきの生活向上ちゃんねる、2025年〔月日未特定〕)も「仕事場からリビング、キッチンまで1台でカバーできる汎用性の高さ」を評価している。

出荷トラブルの報告なし。大手量販店での一般販売が予定通り2025年8月28日に開始され、発送遅延やリコール等のトラブル報告は調査時点で確認されていない〔未確認——大手量販店の取扱実績・消費者庁リコール情報サイト等で該当報告なし、2026年4月調査時点〕。グローバルメーカーの量産体制がそのまま品質基盤に直結しており、クラウドファンディングにありがちな「届かない」リスクは構造的に低い。

比較・代替案

LG Smart Monitor Swingは「ホイール付き移動式スタンド+4K IPS+webOS+タッチパネル」を統合した製品であり、同一構成の直接競合は日本市場に存在しない。以下は特定の機能軸で代替となりうるモデルだ。

BenQ EW3280U。32型4K IPS、HDRi対応、treVoloスピーカー搭載のエンターテインメントモニター。実売7〜8万円台で、音質重視のエンタメ用途なら有力な選択肢となる。ただしwebOSやタッチパネルは非搭載で、PC接続が前提。

その他の購入先

Dell S3225QC。31.6型4K QD-OLEDパネル採用で、色再現性とコントラストはIPSを大きく上回る。有機ELならではの黒表現を求める映像ファン向け。スマートモニター機能はなく、純粋なディスプレイとしての画質勝負だ。

その他の購入先

ASUS ProArt PA329CRV。31.5型4K IPS、DCI-P3 98%カバー、ΔE<2のキャリブレーション精度を備えたクリエイター向けモニター。映像編集・デザイン用途で色精度を最優先するなら最有力候補だが、スマートモニター機能・タッチパネル・キャスターはいずれも非搭載。画質特化と移動式多機能、どちらに価値を置くかで選択が分かれる。

※「ASUS ProArt Display PA329CRV」本体は調査時点で楽天市場での取扱が確認できなかったため、Amazon.co.jpとASUS公式ストアのみご案内します。

その他の購入先

まとめ

LG Smart Monitor Swingは、31.5型4Kスマートモニターにホイール付き可動式スタンドを組み合わせた移動式大画面ディスプレイだ。「配置の自由度」という新しい軸を提案し、VGP2026企画賞・金賞のダブル受賞が製品コンセプトの独自性を裏付けている。一方で、149,800円という価格帯と21kgの重量は、「動くモニター」の恩恵を受けられる住環境とユースケースを選ぶ。スピーカー性能を踏まえれば外部スピーカーの追加投資も視野に入る。

いま中古で検討している人へ。一般販売開始から約8ヶ月だが、中古流通は限定的。スタンド込み21kgの大型製品のため個人間取引では送料と梱包リスクが高い。中古価格が12万円を超えるなら、大手量販店の新品購入(ポイント還元・メーカー保証付き)と冷静に比較したい。

これからLG Smart Monitor Swingを買いたい人へ。購入前に確認すべきは「自宅の床がフラットにつながっているか」と「外部スピーカーの予算を組めるか」の2点。ワンフロアのマンションやフラットな作業スペースなら移動式の恩恵は大きいが、段差のある戸建てでは活躍の場が限られる。価格.comでは楽天経由で115,700円の出品が確認できた〔確認済——価格.com、2026年4月18日調査時点〕。購入タイミングによっては定価から3万円以上の節約が可能だ。

その他の購入先

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A

Alex Ishiguro

編集長

MakuakeやCAMPFIREで話題になった商品の「その後」を追うメディアを運営。約束されたものが実際に届いたのか、消えてしまったのかを記録する。

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